Thursday, January 30, 2014

メガソーラーによる景観破壊を防止する条例 @大分県由布市

(英語の記事はこちら。)


大分県由布市で、大規模な太陽光発電所(メガソーラー)の建設を規制する条例ができました。

メガソーラーによる景観の破壊を防止するための一手です。

このニュースは産経新聞や読売新聞(地域版)などで報道されました。

「自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」というこの条例は、5000平方メートルを超える太陽光パネルなどの発電設備を造る事業者に対して、届出や地元自治会への説明を義務付けています。景観が損なわれると判断された場合は、市が計画の見直しを指導することができます。

さらに、貴重な自然のある場所、地域を象徴する優れた景観や歴史的な特色のある場所を市が「抑制区域」と指定し、区域内では発電事業を行わないよう協力を求めることができます。

メガソーラーを規制する条例は九州では初めてで、全国的にも珍しいようです。

大分県の由布市は、由布院温泉などのある九州有数の観光地で、美しい景観も由布院に引きつける観光資源となっています。



Yuhu_town_in_augustfromwiki

(由布市 Photo by Takasunrise 0921. Reproduced under GFDL+creative commons2.5

この由布市では、メガソーラーの計画が相次いで浮上しました。景観が損なわれると住民から反対運動が起きていましたが、国の景観法では民有地でのソーラー建設は規制できません。そこで由布市が去年12 月に条例案作りを始めました。条例は昨日1月28日に市議会で全会一致で可決、成立、1月29日に公布、施行されました。

そもそもメガソーラーの建設ラッシュが起きたのは、2012年7月にスタートした再生可能エネルギー固定価格制度(FIT制度)の導入以来です。

私も今設計中のソーラーシェアリング発電所でFIT制度の恩恵を受けます。この制度は再生可能エネルギー普及を目的としていますが、やはり完璧ではありません。


太陽光パネルは設置費用が高いのですが、FIT制度によって高い買取価格が20年間保証されるので、企業からすればおいしいビジネスです。参入した企業は、メガソーラーを設置した場所に住む人の気持ちや生活がどうでもいいです。
太陽光発電は化石燃料や原発への依存を減らし私たちの生活をよくするためにあるはずなのに、無神経なメガソーラー事業者のせいで、多くの人の反感を買ってしまいます。
メガソーラーが乱立しないよう、国がブレーキをかけるべきだと思いますが、国が遅いのであれば、由布市のように他の自治体もどんどん条例を作って、自分たちの地域の景観を守ってほしいと思います。

太陽光発電の広まりはやはり、屋根か、ソーラーシェアリングがいいと思います。

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